中学の頃、当時はまだ一地方の古本屋チェーンでしかなかったブックオフで購入したのを覚えている。
 祖母の入院先である病院への行き帰りに読み、ものすごい衝撃を受けて以来、心の一冊になっていたはずなのに、そのことをすっかり忘れていたのを最近掘り起こして再読中。


 シリーズ第一部である『狼の紋章』から読んでいると、学園伝奇ホラー/バイオレンスだった『〜紋章』から一転、いきなりCIAだの中国秘密諜報部だのが出てきて、その強引な転換/風呂敷の広げっぷりにクラクラする。
 でも相変わらず面白い。主人公・犬神明の一挙一動に共感と憧れを禁じえなかった中学の頃とほぼほぼ変わらない心境で読んでいる自分に気づくと、多少複雑。