• ジェーン・オースティン自負と偏見
     噂のマッシュアップ小説高慢と偏見とゾンビを読むために、原作を知ろうと思い立ち、複数出ている訳の仲で一番評判のいいものを選んで読み始めたのが先月。
     ゆったりした文体と物語運びに、しばらく中断していたのを再開。

     基本的には十八世紀イギリスを舞台にした結婚小説であり、そこに結婚の前提となることが多い(*1)恋愛小説としての側面や、当時のいわゆる「貴族」な方々の生活の基盤である「お金」の話をした経済小説でもあり、ゆったりした流ながらなんとなく気になってページを繰らざるを得ない、素敵なエンタテイメントでもあり。

     個人的には『フルハウス』だとか『フレンズ』みたいな海外ドラマを見ている気分で読んでいた。
     ヒロインのエリザベスと、その相方となる予定のミスタ・ダーシーが、お互い誤解というか偏見の目で見合っている関係で、それぞれのキャラクターが少女マンガ風――いけすかない偏屈ものの男にツンツンするヒロインと、ツンツンしかえしちゃうんだけど実はヒロインのことが好きな相手役ってのは、その手の王道ですよね――で、川原泉氏にコミカライズして欲しいような、のんびりした雰囲気が魅力的。

自負と偏見 (新潮文庫)

自負と偏見 (新潮文庫)

*1:ならないことも多い