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- 平井和正『狼のレクイエム 第一部』
- 中島望『
一角獣幻想 』
『ルシフェル、14歳』と続編『地獄変』で、平井和正風「熱病」小説の書き手として、個人的に認識した中島望氏は、いつの間にか新たな方向を模索して、本格ミステリとかライトなSFを書いておられたようで、この『一角獣幻想』も、そんな新たな方向を模索した結果と思しい、「色々やってみました」な書き下ろし短編集。
とは言うものの、作者のコメントに曰く、
「『こども』と『ホラー』というキーワードでやってみました」
ということなので、ある程度イメージは共通しているというか、「子供――社会的に『そう』であったり、物語の中の人間関係の力学の上で『そう』であったりと多様では有るものの――がヒドイめに遭う」という展開が共通している。
今のところ読んだ中では、冒頭の「花いちもんめ」が、ストレートな怪談ではあるものの、それゆえに非常に怖かった。
ホラー好きであれば、この一編のためにだけ買っても惜しくはない。
- 作者: 中島望
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2009/03/06
- メディア: 新書
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- 笹公人『念力図鑑』
最新歌集『叙情の奇妙な冒険』が面白かった、歌人・笹公人氏の歌集。
どれも五七五七七のリズムに載せて、珍妙で懐かしく、明らかにオタ臭い世界を醸し出す極上の短歌ばかりで、この歌集のうちでは、特に諸星大二郎『マッドメン』にインスパイアされたという連作「転校生はガワン族」が面白かった。
中に時々ホラーっぽい歌があるのもうれしい。一番気に入ったものを抜書きしてみる。
「真夜中の幽霊ビルこそかなしけれ汚れた窓に女映して」
――黙読した後に音読すると、最後の七語でゾッとする。
- 作者: 笹公人
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2005/07
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